宇宙の果てはこうなっている

第W章 「次元」の正しい理解の仕方

       
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【 第W章 −1】 4本目の座標軸 

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 ハッブルさんもおっしゃっていた通り、時空の本質を理解するためには、「次元」というものを正しくイメージすることがどうしても必要に なりますよね。ではさっそくその基本から考えてみましょう。

 ついでですが、世の中、無責任に 「次元」 という言葉を使っている 「えせ科学」 がたくさん氾濫しています。それらをきちんと見分けられるポイントも同時にお教えしますからね。

 

 今ここに、ワンちゃんがいます。と言っても、王貞治監督ではありません。一匹の犬です。何と言う種類ですか。雄ですか雌ですか。そんなこたあ知りません。

 ただ分かっていることは、この犬は生まれてからこのかた、一本の直線の上だけで生活をして来たということです。外の世界を知りません。そのため この直線だけが宇宙の全て だと考えています。

 この犬が宝物を手に入れたとします。まあ、極上の骨付き肉だとでも思ってください。

 この宝物を他人(他犬?)に盗まれないためにどうするか。
 おそらく彼は (あ、彼って言っちゃった。すると雄だったのか?)、直線の前後に壁を設けて、これで絶対に盗られることはないと安心しています。

 可哀想に。横から手を伸ばせば簡単に盗られるということを知らない んですね。なぜならこの宇宙には横への広がりがないからです。

 このワンちゃんが生きた世界が次元の宇宙 です。式では P(x) と表します。つまりどこかに原点を決めれば、たったひとつの数値だけで、この宇宙のどの場所でも指定することが出来るという世界です。ひとつの座標しか知らないから、犬は 「ワン」 と啼くのか。そんなことはどうでも良いことです。

 


 今ここに、一匹の犬がいます。この犬は生まれてからこのかた、一枚の平面の上だけで生活をしてきました。そのため
この平面だけが宇宙の全て だと考えています。

 この犬が宝物を手に入れたとします。この宝物を盗まれないためにどうするか。
 おそらく彼は四方に壁を設けます。
 まあ、西部劇の牧場の柵みたいなものだと考えて良いでしょう。

 こらこらあなた、西部劇だと言われてわざわざ 「シェーン」 や 「カートライト兄弟」 などのあらすじを一生懸命に思い出す必要はありませんよ。私が言いたいのは、これでこの犬は絶対に盗られることはないと安心し切っているに違いないと言うことです。

 可哀想に、このワンちゃん。上から手を伸ばせば簡単に盗られるということを知らない んですね。この宇宙は上下への広がりを持っていません。

 実際に誰かが上空から、この極上の骨付き肉を奪ったとしましょうか。彼にとっては平面だけが世界の全てですから、目の前の骨が一瞬にしてかき消えたように思えるでしょう。まるで神隠しにでも出会ったかのように。

 この犬が生きた世界が 次元の宇宙 です。式では P(x,y) と表します。直行するふたつの軸を決め、その軸のそれぞれに座標を与えることで、この平面上のどの場所でも表すことが出来る宇宙です。

 

 さて、私たち人類は次元に住む生物です。ですから私たちは宝物を手に入れると、上下左右に壁のある、例えば金庫みたいなものにその宝物を隠すでしょう。

 これでもう絶対に盗まれるわけはないと思っています。この 「縦」 「横」 「高さ」 のある世界を 次元の宇宙 と言います。式では P(x,y,z) と表します。

 三つの直交する軸があって、その軸のそれぞれに座標を与えることで、この次元空間のどの場所でも指定することが出来る宇宙です。

 でも、次元に棲む生物に言わせると、「可哀想に。簡単に盗まれることを知らないんだから。」 ということになるのでしょうか。つまり私たちは、この 「縦」「横」「高さ」で決まる空間を、宇宙の全てだと思ってきた 生物なのです。

 

 そう言えば私たちの世界でも、目の前の物体が一瞬にして消滅するという現象を、良く経験しますよね。え、経験したことがない。ほんとですか。
 たとえば夕食後に井上陽水のライブビデオなんかを良い気持ちで聞いていると、目の前の酎ハイグラスが突然に消えてしまうなんてことがありませんでしたか。

 あれって、実はあなたの奥さんが上から取り上げていたんですよ。それに気付かないなんて、人類の一員でありながら、あなたが次元的生物だったっていう証拠のひとつなんでしょうね。

 

 みなさんご存じだとは思いますが、次元を表す式の つ目の次元は、時間ですね。ですから、P(x,y,z,t) という式でこの宇宙を表すことになります。

 そこでお願いです。X軸、Y軸、Z軸のつの直線を、あなたの頭の中に描いてください。ただしこの本の軸はそれぞれお互いに直交し合っています。よしよし、あの数学の時間に先生が黒板に書いてくれた、空間座標の図ですね。描けましたか。

 そこに第の軸 「時間軸」 を、全ての軸に直交するように交叉させます。出来ますか。この本目の軸も、どの軸に対しても直交していなきゃいけませんよ。もし出来たという人は手を挙げてください。

 ほら、出来ませんよね。イメージするのは無理です。全てが直交する本の軸なんて。
 仕方がないんです。我々人間(ホモ・サピエンス)は、そもそも
次元的認識の動物として生まれているのですから。生まれながらに次元を認識できている人なんて決していません。

 ですからアインシュタイン以来、一般相対性理論が提唱した次元の時空を、本当にしっかりとイメージできた科学者は、おそらく世界中で数人しかいないだろうと言われています。もちろん私はそのうちの一人ですがね。がはは。

 

 まあそれはそれとして、とりあえずあなたには最初の疑問が湧いているでしょう。誰だってそう思っているはずです。
 これまでの三つの座標では全て 「距離」 を指定していたのに、
なぜ突然番目には 「時間」 などという次元がここに入り込んでくるのか。不思議に思いますよね。
 では時間と空間の関係について、もう少し詳しく考えていきますよ。

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